2014年1月10日金曜日

不思議な話前編

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じいさんの兄が神様になったらしい
それでうちの一族の守り神をやってるっぽい

元々、うちの一家は武家だったらしい
奥の座敷なんかは家長とか長男しか上がっちゃいけないだとか
そんなしきたりがあるような家だった

集落の中でも、中心的というか
なんかあった時はみんな家に集まって話し合いや相談をしていたそうだ

で、集落には祀ってる?神様がいて
それを守るのが家の役割だったらしい

ただ、その神様ってのが
要は祟り神とかそんな感じのやつで
祠の付近は空気も重いし、誰も近寄らないし
大人たちもむやみに近寄るなよって子供たちに言っていたらしい


じいちゃんが子供の頃の話な

じいちゃんは3人兄妹の真ん中
長男は、かなり頭が切れて運動神経も良かったんだけど
いかんせん性格が適当で、何するにしてもめんどくせーって感じだったらしい
次男のじいちゃんは、長男ほどではないけどまぁまぁ優秀だったらしい
妹はあんまり関係ないからスルーしとく

じいちゃんが10歳くらいの時
周り近所の友達と、その祠の周りを探検しようって話になったらしい
色々話しあった結果、結構は早朝
夜明けと同時に行って、見終わったらそのまま帰宅して登校
っていう計画になった
理由は、夜だと怖いかららしい

夜明けでも、夏だったからそこそこ暑い中ほこらの周辺をひと通り散策して
結局何もなく祠に到着した
周りはすっかり明るくなっているのに
その祠の周りだけ異様なくらいに暗かった
さっきまで聞こえていた小鳥や虫の鳴き声もなくなって
とにかく今までの空気とかがらっと違う感じだったよう

子供でもそれはわかったらしく
誰がいくんだ、お前がいけ
っていうやりとりがちょっとあったらしい

祠の扉を開けて、中を確認
扉を閉めて戻ってくる

っていう肝試しみたいな感じ

結局、誰も行くと言い出さず
じいさんは、自分の家が守ってるところだから俺が行く
と行って足を進めた
本当にちびって泣き出しそうなくらいこわかったらしい
俺は○○家の人間だ−!
みたいなことを叫びながら祠の扉をがばっとあけると中は真っ暗だった

内心、ほっとして扉を閉めようとすると
中から扉を抑えるように真っ青な手が伸びてきた
じいさんがびっくりしてしりもちをつくと
祠の中の闇には無数の目があって、じいさんを見ていた

じいさんはあまりの恐怖にそのまま気絶したっぽい

じいさんが目が覚めると
じいさんのじいさん、父、近所の寺の住職、他数名の男がいた
目が覚めて最初に、父に「なんてことしたんだお前は!」と怒鳴られたらしい
じいさんや父から怒鳴れていると、母もやってきて
じいさんの顔を見るなり泣き崩れたらしい

すると住職が、みんなを部屋から出した
部屋には、じいさん、住職、知らない男の三人になった

住職は険しい顔のまま喋り始めた
話の中身は、
祠を開けたことによって、祟神様を怒らせた
このままでは数日中に確実に命を持っていかれる
本当ならもうあの場で死んでいてもおかしくないのだけど
たまたま、じいさんが失神した後、お寺の関係者が通りがかって
どうにかひとまず、祠の扉を閉じてじいさんを連れてきたらしい

その関係者ってのが一緒に部屋にいる知らない男

住職が話をしている間、その男は
部屋の隅に塩を置いたりなんやかんやしてたよう

正直、もう住職の手に追える状況じゃないから
こういうことを生業にしてる人を呼ぶ
その人が来るまで、じいさんがもつかわからないし
来たからといって解決するかもわからない

っていう話だったらしい

その夜、じいさんはその部屋からは出してもらえず
住職が結界を張ったらしく、ひとまずここにいれば大丈夫だと
外から声をかけられても絶対に返事をするな、反応するな
っていうことをかなりきつく言われたらしい

実際、夜になると廊下をぎし、ぎし、と歩く音が聞こえたかと思うと
母の声がじいさんを呼ぶ声がしたらしい
お腹減ってるでしょ?とかそんなことを言っていたらしいが
明らかに雰囲気が異常、ふすまに写った影もまるで人間の形をしてなかったらしい

翌日、昼前に住職が呼んでくれた人が到着した
事情は住職が説明してあるみたいで
部屋に入って、じいさんを見るなり
準備があるからと言って出て行ったらしい

その人はまだ20代くらいの若い人だったらしい

結局、その日、その人は部屋には戻ってこなかった
夜、また結界張った部屋の中で恐怖に震えていると
兄の笑い声が聞こえてきた
廊下をバタバタと走る音と近寄ってくる兄の笑い声
あまりの勢いで近寄ってくるからじいさんは震えが止まらなかったらしい
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