2014年1月11日土曜日

恐い話

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最後の電話
「最初は誰だか判らなくて……」六年前に別れた彼からの、
電話だった。
金田さんは結婚して三年になる。
「直接は言ってなかったけど、共通の知り合いから伝わってるはずなのよ、もちろん」
——よう。俺だよ。※※※だよ。今何してた?
まるでつい先週遊んでいたかのように、軽い感じだった。
「※※※なの?」
 しかし金田さんの記憶に残っている彼の声よりもはるかに低い声だったという。
 まるでテレビの匿名希望者に使われるような、ボイスチェンジャーにかけた声に近い低さだった。
 後ろで風が轟々と吹いているような音がする。
「あぁのさぁ……」
 今ごろ何なの、金田さんは返した。
「いやぁ……たぶん……駄目だろうぅなぁぁぁ……」
 二度と連絡してこないように伝えるべきか、番号を変更すべきか、金田さんは一瞬考えた。
 用件はどうせ金を貸してくれという話に違いないのだろうから。
 けれど違った。
「俺……これから※※のヌシ食べなきゃいけないぃんだぁ。それ言いたくてぇ」
 電話の先から刃物と刃物が擦れあう、耳障りな音がした。
「ねぇ、どこからかけてきているの?」
 突風が吹くように、電話が切れた。
 翌日、気になった金田さんはその番号にかけ直したが、繋がらなかったという。
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