2014年10月6日月曜日

恐い話

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【洒落怖】黒猫



友人と夜11時過ぎに神社に行った。
(肝試しのつもりはなく、飲んだ帰りに急にお参りを思い立った)

お参りして戻ろうとしたとき、黒猫が2匹、神社の脇から出てきた。

なぜだか立ち止まってしまった俺の周りを、猫はぐるぐる歩き始めた。

俺を中心に半径2m位で、半時計回り。

1〜2分続いただろうか、猫は動きを止めた。

狛犬のように俺の前にたたずんだ。

二匹は、俺をじっと見ていた。俺は突っ立ったままだった。

恐怖心はなかったが、

「何か起こしてはいけない者を起こした」

ような気がした。
(後で聞くと友人は、
俺と猫の様子を脇から見ていて悪寒がして動けなかったそうだ)

俺はその場に立て膝をついた姿勢で座った。

手のひらを地面に付け、

「騒がしてスイマセン。静かに帰ります」

と一心に念じた。

すると、俺の左斜め前にいた猫が近づいてきた。

そして、俺の左手の指先を噛んだ。

痛かったが血は出なかった。

俺は、猫のするがママに任せた。

猫は元の位置に戻り、また俺を見つめた。

何だか試験に受かったような気がした。

このまま帰れそうだと思ったとき、
もう一匹、猫が神社の方からゆっくりと歩いてきた。

白い猫だった。

黒猫より一回り大きくて、尾をまっすぐ上に突き立てていた。

「あれがここまで来たら、帰れなくなる」

そう感じた俺は、友人に声をかけ二人で後ずさりして鳥居を抜けた。

黒猫は、ずっと俺たちを見つめていた。

階段を下り、鳥居をくぐりぬけ、振り返らずにそのまま帰った。

何だったんだろう、アレは。
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