2014年10月4日土曜日

深いネタ話前編

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獣医師の私が
猫又に出会った話

8年前私が体験した話です。
大学を卒業して獣医師免許を
取ったばかりの頃のお話。

私は大学附属の動物病院に
勤務していた。大学附属と
言っても動物病院なんで
そんなに大きい施設では
なかったが。
私の上司に当たる獣医師は、

獣医師業務は慈善事業でも、
野良犬・野良猫の保護でもない。
そのへんにいる動物を
片っ端から助けていたら
破産する。ただでさえ給料が
少ないのだから
利益をいかにして出すか。
獣医師はビジネスだってことを
忘れるな。
そんなことを常日頃から
言っている人だった。

何となく大沢たかおに
似ていたため以下大沢とする。

大沢は私の10歳年上の
所謂中堅ポジションとして
病院では活躍していた。

「獣医はビジネス」という
考えが理解できなかった私は
大沢が大嫌いだった。
しかし、それが病院の
理念でもありほとんどの
獣医師がその理念のもと
働いていた。

もともと動物が好きで獣医師を
目指してきた私にとっては

病院が掲げるその理念は
衝撃的であった。
もちろん動物が好きなだけでは
この仕事が務まらないのも
わかっていたし、
獣医師は法律上人間のために
存在する資格であることも
わかっている。
しかし、私の中での
獣医師像とはかけ離れた
「ビジネス、利益至上主義」の
その病院のことは、
どうしても好きになれなかった

例えば、治療で使う
抗生物質一つでも、
より高価なものを選択する。
考えてみて欲しい。
自分がとても可愛がっている
家族同然のペットが、
大きな病気やケガをしたとき
藁をもすがる気持ちで、
少しでもいい治療を
受けられるよう病院に
連れてきたのに、
必要のない薬や高価な薬を
勝手に使われ高額な医療費を
請求される。
飼い主さんにとっては
「ただこの子を助けたい」と
いう思いだけなのに、

そんな気持ちを
踏みにじるような治療内容で
あることも少なくはない。

私はそんな動物病院の体制に
嫌気がさしていた。
もうこの上司の下では
やっていけない。

こんな仕事やめて、ボランティア団体に行ってみようか。
最初はとにかく
辞めたくてしょうがなかった。

そんなある日の深夜、
一人の老婆が訪れた。
19歳になる猫の様子が
おかしいので連れてきたと
言うのだ。
猫は可愛らしい顔をした
アメリカンショートヘアー。
診察の結果腎臓が悪く、
急に昏睡状態に陥ったようだ。

私はその日経過が気になる犬が
いたので徹夜で様子を見ていた
獣医は私と大沢の二人。
大沢はあからさまに
嫌な顔をしていた。
仕方がないので私が診察に
当たり、現在の状態を説明。

「詳しい検査もあるので
今晩は預かります。
詳しく検査をしてみないと
今後の治療方針も
決まらないのでまた明日、
お迎えに来てください」
と老婆に告げた。

老婆は分かりましたとポツリと
言い残し去っていった。

おばあちゃん1人と猫1匹で
暮らしてたんかなぁ…
なんか和む

翌日猫は未だに昏睡状態。
詳しく検査した結果、
腫瘍が全身に広がって
いることが発覚した。
おそらくひどい痛みに
耐えていただろう。
腎不全のため心臓も
弱っていた。
19歳という年齢も考慮して、
痛みを最小限に抑えてあげて、
お家で飼い主さんと
最期の時を過ごしてもらうのが
最善だろうという結論に至った
そのことを老婆に告げると、
色々準備をするのでもう一日
預かってくれと言われた。
私は快諾した。

その日の夕方猫が目を覚ました。
痛々しい姿ではあるが
飼い主を探すような仕草をして
「ニャーン」と鳴いた。
私はひと安心し自宅に帰った。

翌日休みだった私は夕方まで
寝ていた。
すると大沢が大声で怒鳴り
電話をかけてきた。

何事かと聞いてみると、
なんでも猫の飼い主と
連絡がつかないらしく
治療費を踏み倒されたらしい。
最初に名前と住所と電話番号を
書いてもらっていたのだが
全てデタラメだったのだ。
まあ珍しいことでは
ないんですがね。

とりあえず明日まで待ちましょうと言い電話を切った。
翌日出勤してもまだ猫の
お迎えは無かった。
大沢は「無料で治療は出来ない。可哀想だがこのまま投薬をやめて死ぬのを待つしかない。」
と言っている。
私は猫の顔を見ていると何だか
とても悲しい気持ちになった。

「私が看ます!」
勢いで言ってしまった。
今考えると、獣医師としての
プロ意識が足りないと思うし
正直考えられない行為だ。
なんでそんなことを言って
しまったのかわからない。

でも何だかこの猫を見捨てることがどうしても出来なかったのだ。

その日から、私は仕事以外の
時間を全部猫の面倒を
見るために使った。
数日間は病院に
入院させてもらい、
病状が落ち着いてから家に
連れて帰り点滴、投薬をした。
とにかく痛みを取り除くために
手を尽くした。

そんなある日、仕事が終わり
家に帰るとなんと猫が
立ち上がっていた。

病状は改善はしないものの
痛みが和らいだため、
動くことができるように
なっていたのだ。
餌も柔らかいものなら
食べられる。
一安心だ。
あとはこの猫のそう長くはない
余命を、幸せに
全うさせてあげよう。
そんなことを思っていた。

次の日私にとって忘れられない
体験をすることになる。

事前に言っておくが、
これは色々な人に話しても
誰も信じないし、
絶対にありえない。
お前人間の病院に行ったほうが
いいぞと言われるほど
ブッ飛んだ体験だった。
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