2016年5月1日日曜日

恐い話 後編

「・・・・・・・・・キリキリキリキリキリキり」

また伸び始める。

で、完全にギャル男が眠りについて、
かくんと前に頭が下がった。

その瞬間

ギュルギュルギュルギュルッッッ!!!!

速度が増して、
一気にギャル男の首に巻きついた。

「あ・・・」

思わず、姉さん声出しちゃったんだって。

そしたら、動きが止まって
キュルルルルルルって、元の長さに戻った。

荷物置きの上に視線がいく。

そのとき、髪の間から目がのぞいてた。

目が合ってしまった。

「うわ、やば・・・」

しばらく沈黙が続いて、
姉さん身動きとれなかった。

たまらず視線そらして、
気付くと上にいるモノはいなくなってた。

「あー、ビックリシタ・・・」

ちょっと安心して、
ふとドアの窓を見たんだって。

地下鉄って、外が暗くて中が明るいから、
窓には中の様子が映るじゃん?

「あれ、なんかおかしいぞ」

って思って、
窓についてる自分の手をどけたんだって。

自分が手をどければ、
窓に写る像も動くはずじゃん?

でもまだ手が窓に張り付いてる。

誰かの手が、外から張り付いてた。

ちょうど窓越しに自分の手と、
誰かのが合わさってた感じ。

はじめ、その手の持ち主は窓枠の外で見えなかったんだけど、
ゆっくり窓枠の下から黒いモノが這い上がってくる。

相手の顔が見えた。女の顔。

「うわ・・・勘弁してよ〜。」

身動きとれないし、
ドアの窓との距離5、6センチ。

顔合わせるの嫌だから、
なんとか体くねらせて
ちょっとずつ移動する。

それにあわせて、相手もゆっくり移動する。

もう視界は、その女の顔しか写らない。

顔はちょいと美人なんだけど、
近いしニヤニヤしてるし、
涙でそうになったんだって。

次の駅に電車が止まると、
姉さん側のドアがあいて、女は消えた。

降りる人のためにいったんホームに降りて、
また乗ったんだけど、運悪くまた窓の前。

電車が走り出すと、また女が窓に張り付いてる。

もう姉さん、一人で泣いてたんだって。

女がニヤニヤしながら話し掛けてきた。

電車の外だから、聞こえるはず無いんだけど。

「なんだぁ、あなたも私とおんなじなんだぁ。
振られたんでしょ?ね、でしょ?
あなたの彼氏もヒドイ男ね〜・・・つらかったでしょ〜。
ねぇ、聞いてよ、私の彼氏もヒドい男でさぁ。
あいつったら・・・」

一方的にベラベラ話し掛けてくる。

目つぶっても、声は聞こえてくるわけで、

「私はもうダメだけどさ、
あんたならいい男みつかるわよ。」

って、挙句の果てに、
なんかわかんないけど慰められる。

もう姉さん、涙ボロボロ。

見なきゃ良かったって後悔。

しばらくして、話に満足した女は、
クモみたいに這って窓の外から消えた。

そのまま固まってたら、
いつの間にかギャル男の上に戻ってる。

「わかってると思うけど、邪魔はしないでよね。
これはあたしとコイツの問題なんだからさ。」

さっきより鮮明な声が聞こえて、
また髪が伸び始めたんだって。

キリキリキリキリキリキリキリキリ・・・

もう見ていられなくて、
姉さんずっと目つむって反対側むいてた。

しばらくして

「ゴホッ・・・」

男の咳が聞こえたけど、
もうそっち見ることできなくて、
降りる駅に着くまでずっと固まってたんだって。

ギャル男の首に髪が巻きついて・・・
もうそのあとは想像するの止めて震えてた。

降りる駅についたとき、
もう一目散で改札へ。

でも降りる瞬間に

「バイバイ」

って聞こえて、
そのまま泣きながら家帰ったんだってさ。

ちょっと未練があって残してた彼氏のアドレス、
即効で削除したって。

そうそう、電車の中でよく眠ってる人いるじゃん?

姉さんの話だと、中には「見えるはずのないモノ」を
見ないように寝たふりしてる人もいるんだってさ。
相互募集中
  @広告@
最新号取り寄せアドレス:
00592655.bn@b.merumo.ne.jp

ん!?なんか用?
00592655k@merumo.ne.jp

この号が気に入ったら押して下さい
☆ぽちっとな
http://merumo.ne.jp/like/00592655/b5786/?guid=ON


[メルモPR]
メルモでメルマガ発行しよう!
http://merumo.ne.jp/

バックナンバー
http://bn.merumo.ne.jp/list/00592655

配信元:メルモ byGMO
http://merumo.ne.jp/

スマートフォンの方はこちらから登録端末変更をしてください。
http://cgi.merumo.ne.jp/reader/subsc_change.do

0 件のコメント:

コメントを投稿