2016年6月8日水曜日

深い話

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子供が生まれたら犬を飼いなさい

子供が生まれたら犬を飼いなさい。

子供が赤ん坊の時、
子供の良き守り手となるでしょう。

子供が幼年期の時、
子供の良き遊び相手となるでしょう。

子供が少年期の時、
子供の良き理解者となるでしょう。

そして子供がおとなになった時、
自らの死をもって子供に命の尊さを
教えるでしょう。

                                英国の諺


出来ることをするだけ

あるところに多くの動植物が暮らす豊かな山があった。
ある日そこへ雷が落ち、山火事になった。
火は瞬く間に燃え広がり、山は真っ赤に燃え上がった。
里に逃げ延びた動物たちは、途方に暮れて燃える山を見つめた。
「もう何もかも燃えてしまった。終わりだ…」
「住む場所が燃えてしまって、これからどうしよう…」
動物たちは口々にそう言い、落胆してしまった。

しかし1匹だけ必死に消火活動をしている動物がいた。ハチドリだった。
動物たちは彼女を笑った。指を差して馬鹿にした。
「今更そんなことをして何になる、意味のないことを」
「お前のくちばしで運べる水の量じゃ、火の粉すら消せない」
するとハチドリは静かに、しかし強くこう言った。

「私は、私の出来ることを、しているだけ」

結局山は全焼し、真っ黒な塊となってしまった。
しかしハチドリが必死で消火活動をしたところだけは、何とか燃え残ることができ、そこには1輪の花が咲いていた。
他の動物たちは、自分たちの愚かさに気付き、恥じた。
誰もハチドリを馬鹿にする権利などなかったのだ。
いや、むしろできることすら放棄していた自分達の方が、よっぽど笑われるべき存在だったのかもしれない。

その後逃げ残った動物たちは皆で協力して山に木を植えた。
最初1輪の花しかなかった山は、次第に緑が増えていき、やがて、最初より立派な、美しい山となったのだった。
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