2015年9月20日日曜日

深い話

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金魚すくいを
やっていかないかい

俺がまだ中二の頃の夏休み、
友達4人で釣りに行った帰り
大雨が降り出した。

俺達4人は近くの木で雨宿りをしようと、近くの大木に駆け寄った。
すると、突然雷が俺達の木に落ちた。

一瞬の出来事に俺はしばらく何が起こったか理解出来なかった。
だが、俺はすぐにある異変に気付いた。

『友達が居ない』

それともう一つ、祭の出店でよく出ている金魚すくいが俺の目の前に現れた。

「金魚すくいをやっていかないかい?」
屋台にいる親父が俺に話し掛けてきた。

俺はここが、現世(?)では無いほかの空間であることを感じとった。
「いくらですか?」
自分でも何故こんな質問したのか分からない。

「一回やる毎に、君の寿命一年分を頂こうかな。」

まぁ、ありがちなパターンだ。
俺は屋台の方に歩いていき、水槽の中を除いてみた。
すると、そこには、3人の顔をした金魚が力無く泳いでいた・・・

友達を助けなければいけない!
俺はこの世界での役割を悟った。

「網を・・・下さい」

「はい、一年分ね」

自慢では無いが、俺は結構器用でこういう神経を使う作業は得意な方だ。

・・・・・・・・

駄目だ、この網すぐに破けてしまう。まだ2人しか救えてないのに60個以上は使った・・・

「さぁ、この網が君の最後の網(寿命)だ。」

これで、決めなければ!!コイツだけは文字通り『命に代えて』でも救ってみせる!!
すると、明らかに今までとは違い、簡単に救う事ができた。
「やったッ・・・・」
俺はそこで、意識を失った。

「おい、起きろ。」
「死なないでくれぇ。」
「今、近くの家の人を呼んできたよ。」

「ん・・・・お、お前ら、生きてたのか!!」

「まぁ、俺達も皆30分位前に目を覚ましたんだが、お前だけ中々起きなくて・・・・」

嬉しい、涙が溢れ出す。
「あぁ・・・・そうかぁ、お前らが生きてて良かった、本当に良かった。」

でも、何で俺も生きてるんだろう、寿命は全部使いきったはずだけど。
まぁ、夢・・・だったんだろうな。

でも、今でも、鮮明に覚えてるな、あの親父の最後の言葉を・・・
『君はよく頑張ったね、金魚を一匹おまけしよう』
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