2016年5月30日月曜日

怖い話

【洒落怖】さむい


中学生のころ、

Aという同級生の家でよく遊んでいた。


彼の家は町外れあり、

海の崖っぷちのような所に建っていて

両親も仕事柄居ないことが多く

ガキが騒ぐには絶好の場所だったからだ。


12月の試験休みにその家で、

当時学校で流行っていた

コックリさんをやることになった。


ちなみにその方法だが、

丸い木製のテーブルに五十音、はい・いいえ、

0〜9までの数字を書いた紙をならべる。


このとき「とら」とか「しか」とか

動物の名前にならないように注意しなくてはならない。


そして硬貨を使わず無地のコップを使う。



参加者全員がそのコップに息を入れて

中央に置き人差し指を添える、という方法だ。


マスター(?)のAが


「コックリさん、コックリさん、

いらっしゃいましたら"はい"と返事をしてください」


と定番の台詞を口にした。


するとコップが"はい"の所へ移動する。


そしてAが


「○○(俺の名)の好きな女の子のは誰ですか?」


と訊く。


「なんだよ〜変なこと訊くな!」


と俺は恥ずかしげに呟いた。


だが、コックリさんは女の子の名前ではなく

「さ」「む」「い」と繰り返す。


「なんだよこれ!」


「・・・気持ち悪いな」


何か嫌な空気が流れはじめる。


そのうち肩が重く、

軽い頭痛がしはじめた。


俺は


「もうやめよう!」


と思わず叫んだ。


皆もそれに頷く。


だが、コックリさんは帰ってくれない。


最後は強引に止めてしまった。


Aは


「俺ん家が呪われたらどうすんだよ〜」


と半泣きになったが、Bが


「ちゃんとコップを割って紙を燃やしとけば大丈夫」


とはき捨てるように言い

皆逃げ出すようにその場を去った。


その三日後だった、

その家の側の海岸に

女性の水死体が見つかったのは・・


冬の海で寒かったのだろう・・


幸いにして

俺を含めた全員に祟りと思われる現象は起きなかったが。
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