2015年1月21日水曜日

ネタ話中編

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結局、その日の乱交はお開きとなった。
オッサン「おい、どうしたんだよ。そんなんじゃこっちも萎えてきちまう」

ニート「ああ、すまん、ちょっと、な」

オッサン「?」

ニート「今日の俺の女、似てなかったか?」
オッサン「誰に?」

ニート「縦笛を舐めたあの子」

オッサン「え、いや、うーん、覚えてないな・・・」

ニート「いや、別人だとは思うんだ。ただ、なんか一瞬だが、雰囲気が」

オッサン「それと殴ったのと何の関係があるんだ?」

ニート「わからん」

オッサン「?」

ニート「なぜか、殴った。いや、壊したくなった。なぜだろう」

オッサン「お、おいおい・・・」

ニート「別にあの子にイジメられてたりしたわけじゃないのに・・・」

オッサン「ま、今日はゆっくり休めよ。デリヘル呼び過ぎたんだろうよ。休めば治る」

ニート「そう、だな」

その日、ニートは夢を見た。


夢の中でニートは小学生に戻っていた。

ニートの親は厳しくニートに小遣いをほとんどあげていなかった。

その為、ニートは駄菓子屋で駄菓子を買えず「貧乏」とイジメられていた。

小学生「おい、貧乏!今日も金ねーのかよ!」

小学生「だっせー!やーいビンボー!」

小学生「このお菓子うめー!食えねー奴かわいそうだな!」

ニートは涙をこらえ、下を向いて歩く。

女の子「ニート君」

ある日、いつもとは違い、一人の女の子が声をかけてきた。

クラスのアイドルの女の子だ。
女の子「ニート君、これあげる」

ニート「え」

女の子「これね、とってもおいしいんだよ」

クラスのアイドルからお菓子を買ってもらえたのだ。

ニート「でも・・・僕・・・」

もじもじするニート。

女の子「じゃあさ、いっしょにたべよう!」

ニートは女の子と一緒に駄菓子を分け合った。

その日からニートは駄菓子屋の前で罵られることはなくなった。


目を覚ますニート。


ニート(なぜ、今頃こんな夢を・・・。懐かしい、こんなこともあったな・・・)

ニート(あの駄菓子、おいしかったな。甘くて、柔らかくて・・・)

ニート(あの子、積極的に話し掛けてくれたな・・・。俺は頷くしかできなかったけど・・・)

ニート(あの駄菓子の味とあの子の笑顔が忘れられなくて、俺はあの子の縦笛を・・・)


早朝


ニートは一人で故郷へと帰ってきた。

駄菓子屋はなかった。

代わりにコンビニがあった。

ニート(もう、ないのか・・・)

ニートが佇んでいると懐かしい声がした。

女「ニート君?」

振り返るとそこにはかつてのクラスのアイドルがいた。

ニート「あ」

女「やっぱりニート君だ」

ニート「ひ、久しぶり・・・」

女「久しぶり!中学卒業以来だね!」

ニート「あ、うん、それぐらい、かな」

女「今は何してるの?今日は休み?」

ニート「ん、ああ、今は、東京に、その、住んでる」

女「東京!すごーい!」

ニート「え、いや・・・」

女「そうだ!今日、大丈夫?今からうちにきてよ」

ニート「え?」
女「ニート君に見せたいものがあるんだ!」

ニート「え?え?」

女「今日は忙しいの?うち、すぐそこだよ?」

ニート「いや、今日は何も、ない」

女「じゃあ、寄っていってよ!」

ニートは女についていく。

昔と変わらず頷いてばかり。

木造、ボロボロの一軒家に到着する。

女「ただいまー!」

お婆さん「おかえり、おやおや、お客さんかい」

女「うん!ニート君だよ」

お婆さん「ん?この子は確か・・・」

ニート「ども、はじめまして。あっ!」

お婆さん「ふむ、あのいつも店の前を下向いて歩いとった子じゃな」

ニート「も、もしかして」

お婆さん「ふふ、わたしのことがわかるかね?」

ニート「駄菓子屋のお婆さん?」

お婆さん「そうじゃ。一度しか来てないのによくわかったの。どれお菓子をやろう」

ニート「え、でも、なんで駄菓子屋のお婆さんがここに」

女「私のおばあちゃんだから」

ニート「え!あ、そうだったんだ・・・」


女「うん、私、お父さんとお母さんいないから。家族はおばあちゃんだけ」

お婆さん「懐かしいじゃろ。ほら、たべな」

ニート「あ、これは!」

女「昔、一緒に食べたでしょ」

ニート「あ、うん・・・」

女「この駄菓子はね、おばあちゃんの手作りなんだよ」

三人はとりとめのない話をした。

平和で懐かしい時間だった。

突然だった。

チンピラ「オラアアアアアアア!ババア!いるんだろおお!!!」

三人「!!」

お婆さん「ちょっと!今日はお客さんがいるんだから!」

チンピラ「ぅっせーんだよ!ババア!テメェがさっさとこの土地を売って金にしねぇからだろうが!」

女「ちょっとやめてよ!」

チンピラ「お?今日も美人だなー!アンタが風俗で働いて借金返せば俺も静かになるんだがなぁー?」

兄貴「おい、辞めねぇか」

チンピラ「あ、兄貴!」

兄貴「ばあさん、すまねぇな。騒がしちまって」

お婆さん「何度来られてもこの土地は譲りません」

兄貴「ばあさん、無茶言っちゃいけねぇや。契約書には書いてあるし、サインもしたんだぜ」

お婆さん「借金は少しずつ返済します」

兄貴「確かにな。だがよ、これは提案なんだぜ。あんたの年金からちびちび取るのはこちらも忍びねぇ」

兄貴「そこでうちの組長は土地をよこしてくれれば借金はちゃらにすると言ってるんだ。それにだ、あんたの年金だけじゃあ、到底支払い終えないだろ」

兄貴「な?ここまでこんな田舎の不便な土地を高く買ってくれるところはねぇ。考え直す気はないかい?」

お婆さん「気は変わりません」

兄貴「そうかい。後で後悔するぜ。組長の気が変わった後じゃあおせーんだからよ」

ニートは帰ってきた。

ニート「なぁ」

オッサン「ん?」

ニート「ちょっと聞いてくれ」

オッサン「あ、ああ」

ニートは今日の出来事を話した。
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