2015年2月26日木曜日

恐い話 後編

あの邪鬼が持つ鎌、
それは死神を意味するものかもしれない。

私の周囲に不吉なこと不運なことが生じると、
黒い影の存在を感じることもあった。

何者かに見張られている。

私の心の奥底まで見通し、
虎視眈々と私を付け狙っている黒い影の存在。

少しでも隙を見せるとたちどころに心を蹂躙しようと。
その黒い影は、時として生きてる人間に憑依し、
残忍冷酷な人間に豹変させ、私をいたぶろうとしている。

そんな疑心暗鬼にもなった。

自分以外の人間が信用できない。

いつ自分に害をなす人間となるか分からないからだ。

必要以上の緊張感を強いられ、
子供でありながら大人並みの緊張感を要求されたのだ。 

自分の半生を振り返ると、
強引かつ理不尽な不幸現象に見舞われてきた。

物事が自分の意に染まぬ方向へ、
そうあって欲しくないと思う方向へ、
必ずと言って良いほど運命が動く。

それは私の精神が疲弊し崩壊するのを
目的としているかのようだった。

あきらかに何者かの意志が働いているとしか思えない。

夢に見た邪鬼が、黒い影となり私の廻りを徘徊し、
人を介して間接攻撃に始まり、私が注意力が散漫になると、
それを見計らって直接攻撃に及ぶ。

精神を締め付ける喩えようもない閉塞感に襲われるのだ。

その意識圧からは悪意すら読みとれることもあった。

時おり、自分が旧約聖書に登場する
ヨブのように思えることもある。

幾重にも重なった夢の世界。

恐怖の中に恐怖が織り込まれ、
それが恐怖の多重世界を形成する。

それは合わせ鏡の世界に似ていた。

鏡の世界にもう一つの世界。

その中にもまた鏡の世界。

それが無限に続いている。

私が見た悪夢は、まさにそれだった。

そして、言い伝え通り、
合わせ鏡から悪魔を呼び出してしまったのか?

それが、あの邪鬼とも妖怪ともつかない奴なのか。

私は時々思う、
今現実と思っているこの世界が、
実は夢の続きではないのか、と。

私は未だ覚めやらぬ多重構造の夢から抜け出せず、
そこで囚われの身になっているんじゃないのか。

邯鄲の夢の言葉もあるように、
ふと目覚めると5歳児の私のままではないのか・・・と。
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