2016年2月1日月曜日

恐い話3

一体ここはなんなのか、当時の俺たちはあまりの事に思考が追いつかず、ただただ動揺しまくっていた。
とにかくここを出よう。
そう考えた俺たちは、カーナビ通りならこの先へ進めば群馬か埼玉の街中へ抜けれる事を確認し、女の子たちには
そんなにスピードを出さないからついて来れば大丈夫と話していると、突然後ろの方、駐車場の奥の林からかなりの人数の
人影(目測でも50〜60人くらい)が下りてきてこちらへと向かってくるのが見えた。
更に、人影以外に林のほうから何かがこちらに向かってジャンプして突っ込んできて、俺たちの車の隣に駐車していた
トラックに衝突した。
街灯の明かりに照らされたそれは信じられない事だが、それは1m以上ある巨大な蛆としか言い様のない物体で、
衝突した衝撃でトラックのガラスが割れ、蛆のほうは地面に落ちて黄色い体液のような物を流しながらうねうねと
動いている。
しかもそれ1匹だけではなく、少なくとも目で見える範囲だけであと7〜8匹が飛び跳ねている、何匹かはこちらに
向かってきそうだ。
このままだと自分たちの車にも突っ込んできて壊されるかもしれない。

身の危険を感じた俺たちは、女の子たちにも早く車に乗るように指示しようとしたのだが、何を思ったか彼女たちは
駐車場の反対側の方へと駆けて行き、「そっちじゃなくて車で逃げないと!」と慌てて追いかけた俺たちに
向かって「この中に入って隠れてやり過ごそうよ」と、駐車場の隅にあるプレハブの倉庫らしい小屋を指差した。
俺は彼女たちが明らかにパニックになって冷静な判断が出来なくなっていると思い、「いいから車に乗れ!」と
怒鳴って4人で腕を引っ張って無理矢理連れ戻し、かなり近くまで来ていた人影の集団と飛び跳ねる巨大な
蛆を尻目に無理矢理彼女たちを車に乗せると、パニックになった女の子たちだけでは不安だからとBとCが
彼女達の車に乗り、彼女たちの車のほうはBの運転でドライブインから逃げ出した。
道路に出て後ろを見ると、付いてきている女の子たちの車の後ろにジャンプする蛆が見えたが、流石に車の
スピードには追いつけないのか、そのうち見えなくなった。
それから1時間くらい走っただろうか(今から考えると、距離的に麓までそんなに時間がかかるとは思えないのだが)
下のほうに街の明かりが見えてきた。すると、後ろの車に乗っているCから女の子たちがトイレに行きたいと言っている
から、どこか公衆トイレかコンビニのある場所に一端停まろうと電話がかかってきた。
そして暫らく車を走らせると、公園か何かの施設の駐車場らしき場所があったので、そこで一端車を停める事に
すると、流石にあんな事があったのでトイレには俺たちも付いていこうか?と聞いてみた、すると彼女たちは流石
にもう大丈夫そうだから3人で行って来ると言い、さっさと行ってしまった。
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