2016年2月24日水曜日

いい話 中編

3コールで彼が出た。大人ぽいというか落ち着いた声の人だなって思った。
私は無言で、彼はずっと「もしもし?」と不安そうに聞いて居た。
どうにかお礼だけでも言いたくて、何度も口を開いた、多分相手には唇の当たる音が聞こえてたんだと思う。
「もしかして喋れない?」
彼がそう聞いた、でもうん。とは言えずにマイクを1回だけ叩いた。
「あーごめん。なんかそうかなーって思ったんだ。」
「気付かなくてごめん、今元気?」
私は1回マイクを叩いた。一言も伝えていないのに
喋れない事を理解してくれる事が嬉しくて泣いてしまった。
声が出ないので嗚咽すら届かない。だから思い切り泣いた
「そっか、でも、またあんな風になったら音出して周りに伝えなきゃだめだよ」
優しい声で叱ってくれた。正直父は良い人だけど、腫れ物を扱う様にされてたから
こうやって、純粋に怒ってくれるのが凄く、凄くうれしかった。

50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/24(火) 01:37:03.05 ID:7K84b5Je0
「泣いてるの?」
私はマイクを二回叩いた。私の泣き声は同室に居ても聞こえない。
「嘘でしょwごめんね怒ったりして」
「高校生?若いなー、あの制服だと××かな?」
どうして喋らなくても解るのかな、って純粋に思った。
私はマイクを叩くだけだった。でも彼はどんどん話して行く。
久しぶりに人と話すのって楽しいなって思った。
最後彼は
「また何か有ったら電話して、これも何かの縁だし」
そう言った。私は1回だけマイクを叩いた。
泣いてない事に続いて二回目のウソでした。

52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/24(火) 01:39:57.81 ID:7K84b5Je0
彼と出会って各段に何か、私に対する偏見の目が変わる訳ではありません。
辛い事がある度に、彼の電話番号を見ては、通話ボタンを押そうとするのですが
おせませんでした。きっと彼の言葉を社交辞令だったらどうしようか、そう思っては携帯を閉じました。
でも私は、彼の番号があるだけで、それでも真っ直ぐ生きていこうそう思えました。
もうこの時、私は彼が好きだったんです。
単純な女です、ちょっと優しくされたから惚れた、それだけですw
54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/24(火) 01:45:37.01 ID:7K84b5Je0
高校を卒業し、引き籠り等の支援教室の事務に就職しました。
大学へ行く事も考えましたが、主治医が薦めてくれるままに、働き始めました。
気持ちが悪い話ですが、その時の私の携帯の発信履歴は彼の名前が
ひとつ、あるだけでした。
働き始めたところは、幸いにも偏見の無い優しい方達ばかりで
話せない事を覗けば、すごく働きやすい職場でした。

57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/24(火) 01:50:51.41 ID:7K84b5Je0
働き始め、初めての冬。ちょうどいまくらいの時期だったかな。
私は高校時代の友人と食事を済まし、帰宅しようと駅に急いでいました。
ですが不意に、目の前に男性が転がってきました。
私の地域には珍しく雪が降って、シャーベット状に溶けだしていた。
思うにその男性は階段を上ろうとして、こけたのだろう。そう思いました。
立たせて直ぐに帰れば、喋らないで済むだろう。そう考え
彼に手を差し出しました。

60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/24(火) 01:53:02.71 ID:iUIFU5C50
再会キター

61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/24(火) 01:53:25.97 ID:wddrlfIX0
BGNスタート

55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/24(火) 01:45:42.50 ID:iUIFU5C50
au同士なら番号あればCメール届くよ

62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/24(火) 01:54:13.56 ID:7K84b5Je0
>> 55
知ってるwでも勇気はなかったのさw
「ありがとう」
酒臭い息と共に、優しい声が聞こえました。
一瞬で顔が火照ったのが解った。
男性が顔を上げて、その男性が本当に彼だと気付いた時
逃げ出したくなった。というか逃げた。
マフラーで顔隠して階段を上ろうとした。
そしてこけた。


こんなドラマみたいなwktk展開あるとは…


なんて言うかこう、ロマンチックといったら少し失礼かもしれないけど
こういうことってあるんだね


痛くても声が出せない。無言の私。
今度は笑いながら私に手を差し出した。やっぱり酒臭い。そして恥ずかしい
そう思いなが手をとって立った。
「お互い転んじゃったねー」
彼は笑った。私は顔を上げられずただ頷いた。
「あれ、あの時の子、だよね?」
私は首を横に振った。三回目のウソ。
「ほら、またウソ付いたー、電話してくるって言ったのに電話してこなかったじゃん」
彼はへらへらと笑った。上機嫌な様子だった。
「よし、お兄さんとメールアドレスを交換しよう」
そう彼は鞄から、ペットボトルを取り出した。
そして何も言わずしまい、携帯を取り出した。

69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/24(火) 01:59:49.00 ID:M/BJTL/c0
ペットボトルワロタ

73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/24(火) 02:02:38.02 ID:H14LGCk5O
ペットボトルwww


私は首を振って断ろうとしたけど、最終的に酔っ払いには勝てずに交換した。
「これで、話ししやすいでしょ」
彼のその言葉を最後に別れた。
ずっと胸がドキドキしてた、もしあの時喋れたなら
「好き」だと言えたかもしれない。
そして男子高校生の日常を見ながらなので遅くなるやもです。

71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/24(火) 02:00:48.18 ID:5UZ4fqIm0
声帯がイかれて声が出せないの?
心がヤられて声が出せないの?


>> 71
もう声帯もやばいのかもしれないけど
心かな。
相互募集中
  @広告@
最新号取り寄せアドレス:
00592655.bn@b.merumo.ne.jp

ん!?なんか用?
00592655k@merumo.ne.jp

この号が気に入ったら押して下さい
☆ぽちっとな
http://merumo.ne.jp/like/00592655/b5654/?guid=ON


[メルモPR]
メルモでメルマガ発行しよう!
http://merumo.ne.jp/

バックナンバー
http://bn.merumo.ne.jp/list/00592655

配信元:メルモ byGMO
http://merumo.ne.jp/

スマートフォンの方はこちらから登録端末変更をしてください。
http://cgi.merumo.ne.jp/reader/subsc_change.do

0 件のコメント:

コメントを投稿