テーマ「1馬力」
車好きの人でなくても「馬力」という単位は聞いたこがあるだろう。なんとなく「力が強い」とか「速い」なんていうイメージがある単位。
そもそも、この馬力というのは、どういうものなのかというと、「1分間にどれだけの仕事が
出来るか」を表す仕事率の単位。しかし、馬と言ってもいろんな馬がいる。産地・種類・雌雄・年齢などによって、馬力も違ってくるように思えるが…。
馬力の単位に出てくる「馬」は別に有名な馬、というわけではない、無名の馬。
馬力を単位として制定したのは、蒸気機関を発明したジェームス・ワット。蒸
気機関を導入する工場が増えたため「公正な使用料を徴収するために、性能が
客観的にわかる単位」が必要だったというわけ。
そこで、ワットは自分の作った蒸気機関に馬と測定器を結びつけ、馬がどれく
らいの仕事をするのか調べてみると、175ポンドの力で1分間に188フィ
ート歩いた。だから、2つの数値をかけて、毎分約33000フィートポンド。
これを、ワットは1馬力と決めたわけ。実は、ワットの時代に比べると、現代
の馬は品種改良が進み、当時の4倍ぐらいの力が出るらしいが…。
テーマ「ガムとチョコ」
ガムとチョコレートを一緒に食べるとガムが溶ける…経験的に知っているかも
しれない。ガムが溶けるからには、チョコレートに何か強力な物質が入ってい
る気がするが、これはガムのもとになるガムベースの性質のため。
ガムベースは、チクルなどの植物性樹脂やドイツで開発された酢酸ビニル樹脂
に、弾力性を出すポリイソブチレンなどを加えて作られる。これに糖類や香料
を加えてガムの出来上がり、というわけだが、酢酸ビニル樹脂は脂溶性。唾液
には溶けないが油には溶ける、という性質を持つ。
一方チョコレートは油脂を含んでいる。一緒に食べることで、ガムの組織がバラバラになり溶けていくということになる。同様にビスケットでも油脂を含ん
でいるため溶ける。ちなみに、ガムは溶けても溶けなくても、飲み込んで害の
あるモノではないのでご安心を。
テーマ「耳掻きのコケシ」
竹製の耳掻きには飾りとしてコケシが付いていることが多い。もちろん耳掃除
のお守りという意味はなく、かんざしとして使われていた頃の名残。かんざし
と耳掻きの関係は江戸時代にさかのぼる。
江戸時代、一般庶民が贅沢品を身に付ける事、所有することが禁止されていた
ことがある。さらにかんざしは武器としても使えてしまう。とはいえ女性はキ
レイに着飾りたいもの。かんざしの先を曲げて耳掻きの形にし、実用品とする
ことで規制から逃れていたのである。
また先が曲がっていることで髪を結いやすい、毎日髪を洗う習慣のなかった当
時、頭が掻くのにも使えるという便利品でもあった。コケシという飾りのため
の付加機能「耳掻き」だったものが、耳掻きの飾りとしてのコケシに変化し、
現在のような形になったというわけである。
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