2014年2月15日土曜日

恐い話

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二人の世界

受験生の頃のお話。

高校生の時、私の学校からは「政治経済」で大学を受験する人がいなくて、
政治経済の先生とマンツーマンで勉強していた。
その頃私は、放課後に志望大学の過去問のテキストを持って、
先生へ質問に行くのが日課になっていた。

ある日、たまたま同じ準備室にいた日本史と世界史の先生が不在で二人きりになった。
丁度このくらいの季節で、日が沈む前の夕焼けがすごい色をして室内を照らしていた。

「──あれ?」

私は、不思議な事に気付いた。
普通、放課後でも部活動をやっている人が必ずいるはずで
ブラスバンドも毎日演奏しているはずなのに、
私達のいる部屋は無音だった。

それも数分なら分かるが、たっぷり30分は誰も廊下を歩かない(走らない)。
誰の声もしない。何の音楽も聞こえない。
私は変だと思い、ちょっと外を見てこようと思ったが、
先生に教えてもらっている最中に席を立つのもどうかと思い遠慮していた。
が、先生も変だと思ったのか外を気にしている様子だ。

「先生…何か変じゃありませんか?」
「ん…そうだな」
「ちょっと私、見てきます」

ようやく私は立ち上がり、そろそろと部屋の引き戸を開けた。
──瞬間、うわんッと音が戻ってきた。

「えっ!?」

びっくりした私は、廊下を歩いていた生徒に変な顔をされた。
振り返って先生と目を合わせると、先生も驚いていた。

この部屋は、ただの社会科準備室で防音も何もしていないし、何故?と思った。
でも結局先生も私も理由は分からずじまいだった。
ただ、あの日の異様な夕焼けだけが印象に残っている。

そして、これは全く関係無いが、先生と私は今月結婚式を挙げた。
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