そして次の日、ウェブカメラには確かに自分の部屋が写っていた。そして冗談でもなんでもなく、自分の部屋にいた女の姿も写っていた・・・
何故かわからないけど、ぼやけて良くは見えない。
そいつは廊下から出てきたが、自分の部屋をぐるぐると何かを探すように回ると、引き出しからボールペンを取り出して机に置いた後、去っていった。
「これはヤバイ。とにかくおまえはもう家に帰るな。今までは平気だったけど、これからも何もないって保証はどこにもない」
Iにそう言われ、生まれて初めて恐怖心で泣いてしまった。
体がガクガク震えて、顔が熱くて溜まらない。失禁寸前のところでIに支えながらトイレに連れて行ってもらい、そこで喚き散らした。
一暴れして落ち着くと、Iはこういった。
「まぁ、あれだよ。こういうのはマレにいるんだ。そういうことにしとけ。これはこの家から出てくることはないはずだから、おまえはもう家に戻るな。で新しい家を探せ。その間くらいはこっちで面倒みれる。新しい家見つかったら、俺とKで引越し作業するから。それでいいだろ?」
翌日のバイトは休みをとって、自分は不動産屋を駆け巡った。
もう怖くてしょうがなく、一秒でも早くあの家から縁を切りたかった。
幸いにも午前中には契約が取れて、午後には向こうの家の解約手続きに踏み切ることができた。
不動産屋に「何か問題でもあったのか?」としつこく聞かれた辺り、こういうことは始めてだったのかもしれない。
そしてこの日から2日後、無事に引っ越すことができた。
新しい家に変わってからもしばらくはビクビク怯えていたけど、何事もなく1週間も過ぎるとようやく調子を取り戻してきた。
それから少し経って、再びIとKとファミレスに集まった。Iが一枚の紙をテーブルの上に置いた。
「この紙、なんだか分かるよな?」
「ああ、机の上においてあったものをお前に見てもらった奴でしょ?」
「これさ、真っ白い紙に見えるけどよくみると文字が書いてあるんだよ」
Iはもう一枚似たような紙を取り出すと、さっきの紙の上に重ねて、バッグから取り出した鉛筆でガリガリ擦り始めた。
そうして出来上がったものは
『さびしい、いたい、さびしい、いたい』
これがしばらく続き、ノートの半分を過ぎたあたりから
『さびしい、いない、さびしい、いない』
に変わり、最後のほうになると
『しね、しぬ、しね、しぬ、しね、しぬ』
に変わっていた。
最初のほうは薄くて全部は読めないものも多かったが、最後のころにはしっかりと文字が浮かび上がっていた。
「一応調べてみたんだけどさ、あのアパートで死んだとか自殺した。って奴は新聞とかネットではいなかったよ。あいつが何だったのか?って聞かれると困るけど、多分お前と馬が合ったっていうのかな?多分そんな感じだと思う。事故みたいなもんなんだよ。きっと。」
それから誰が言ったわけでもなく、俺らは三人ともその話を止めてカラオケに行き、3人でまた一晩泊まって終わった。
あれから今まで、何の問題もおきてない。
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