2016年1月23日土曜日

ネタ話

父親が病気になって心がささくれたけど、爺ちゃんと犬の信頼感を見て大事なことを思い出した

20代の前半、父親がちょっとよろしくない病気になって急遽金が必要になり、
ひとまずサクッと稼げるトラック運転手やってたんだけど、

あの仕事って配達先、特に倉庫のおっさんなんかにすごく下に見られて、蔑まれたりするんだよ。
「車運転するしか能がねーんだから、黙って運べよ」みたいなこと言われたりもした。

んで、自分もどんどん心がささくれてっちゃって、「オヤジが病気すっからこんなことやんなきゃなんない」みたいに思ってすげーやなヤツになりかけてた。

その日は食品の配達で、駐車スペースから少し離れてるスーパーのバックヤードに、クソ重いパスタ1kg×24個を80箱くらい運んでたんだ。
汗ダラダラでやっと運び終わって、目も合わせないおっさんにハンコもらってイライラして車に戻って水分補給してた。

その駐車スペースの前には公園があって、そこにかなりヨボヨボの爺ちゃんと、
結構でっかい犬(秋田犬くらいでっかい)が散歩にきてたんだ。

爺ちゃんはかなり歩くのが遅くて、一歩が10cmないくらいのスローペース。
だけど犬はそのペースに合わせて、ゆっくりゆっくり横を歩くんだよ。
で爺ちゃんがよろけたりすると、スッと体を寄せたりして見守りモードなのよ。

わ〜あの犬賢いなーなんて思って見てたんだけど、爺ちゃん何を思ったかブランコに座ってゆっくり漕ぎだした。
犬はそれをジーっと見ながら、ぜったい爺ちゃん落とすまいっていう感じで、いつでもいけるぜ態勢で待機。

で、ひとしきりブランコを楽しんだ爺ちゃん、ゆっくり立ち上がってニッコリしながら犬の頭をひと撫ですると、
犬が超笑顔で、これまじで超笑顔に見えたんだけど、尻尾パタパタって振って、そんでまた歩いてった。

あとは俺の想像だけど、あの犬はきっとチビの時から愛情いっぱいに育てられてたんだろうねーなんて思ったわけさ。
主従とかじゃない信頼感みたいなのがにじみ出てた。

それで「そういや俺だってオヤジに可愛がられて育ったんじゃん。病気になんのは仕方ないし恨んでどうすんよ」と思い直し、
それからは何言われてもとりあえず「さっせん頑張りますっ」とかいいながら、ムカついた顔しないようにしてたら、
スーパーのおばちゃんとか超優しくなった。

イライラしないで人としてちゃんとするって大事だわーって心底思った。
父親の病状が落ち着いて、元の職種に戻るのが決まった時はおばちゃんたちが送別会してくれるまでになった。

あの爺ちゃんと犬のたたずまいが、互いを思う優しさに満ち溢れてたので、それを見てすごく助けられたわって話でした。

爺ちゃんと犬がほんとなごむわーっていう話で、泣かせるつもりじゃなかったんだけどなあw

後日談ってわけじゃないんだけど、結局父親は胸椎ガンで、背骨を2個セラミックに取り替えるという大手術の後、胸椎下全マヒというえらいこっちゃ状態に。

オヤジいわく肘の内側をガンッってぶつけた時の、あのビリビリ感が胸の下全部ずっとな感じだったそうです。
それからは医療費に1000万近く請求されるわ、カーチャンも金策と看病で疲れ果ててヘロヘロになるわ、ガチナマポ寸前までいったけど、さすがにそれだけは避けたくてもうホント働きまくった。

大病人抱えた全生活費が、当時23歳の俺の肩に全部のしかかるというちょっと考えたくない状態。

だけど、退院してもオヤジ動けないもんだから荒れる荒れる。
わがままばっか言いよる。

爺ちゃんと犬の話はカーチャンにだけはしてたんだけど、ある日荒れるオヤジに「あんたの息子はそんな思いで働いてんだよ!」ってその話をして怒ったらしいんだ。

そしたらオヤジえらく反省して、「おい息子よ、天井にフックを付けてロープ通してくれないか」とか言い出して、紐で足吊ってリハビリしだした。

まあ、歩けるようになる感じは一切しなかったんだけど、いろんなリハビリグッズを手作りして、ずーっとやってた。

そんで1年ぐらいたってからだったかな、久々の休みに録り貯めてたアニメをガッツリ朝方まで見て昼くらいまで寝てたら、
下の部屋から「うわーん」っていうカーチャンの泣き声が聞こえてきて、なんだなんだと慌てて降りてったら、オヤジがベッドの横にすくっと立ってた。

俺は「おお、リアルクララが立った状態だ」とか冷静に考えてたんだけど、カーチャン大泣きしてた。
その日の夕飯は2年ぶりくらいのスキヤキだったのは俺は一生忘れない。
奮発してしまってごめんとカーチャンは俺に謝ってたけど、まあそんなことはどうでもいいことです。

結局、病気が発覚して3年位たってようやく生活にめどが付いて、スーパーのおばちゃん達に祝福されつつ元の職種に戻ったっていう流れでした。

父親も今じゃ五年後生存率も無視して、健常者ってほどにはいかないけどそれなりに歩けるようになって、こっちも大助かりです。
逆に「オヤジよ孫も抱けたことだし、死ぬ時はぽっくり死んでくれ、もうマジでめんどくさいから」とお願いしてるくらいです。

って全部文章にして俯瞰で見るとウソくさい感じになるなああああ。でもリアルガチです。

まぁ、こんないい感じの話ばっかじゃなくて、ホントにろくでもないこともあったし姉夫婦とクッソ揉めたり、あの3年間はホントにいろいろあったんだけど、全くなごみ話じゃないと思うのでこれにてドロン。
632:なご:2013/12/12(木) 15:19:31.16 ID:tzzTJv120
大変だったんだなあ
でも意識が変われば不思議と相手も変わったりするんだよね
633:なごみ:2013/12/12(木) 15:21:19.48 ID:xcwO6rHb0
すごいなぁ、614いい人だ
爺ちゃんと犬も素敵だけど、あなたがそこで前向きな気持になれたのが本当に尊敬するし
貴方のがんばりが、お父さんのすさんだ気持ちを救ったんだねぇ、ほんとうに素敵な連鎖だ
家族みんな苦労したのだろうけれど、皆様に幸多からんことを!
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