2016年1月19日火曜日

恐い話

俺の大学は戦時中に激戦区だった場所にあって「出る」と話題だった
2013/09/28
カテゴリー: 怖い話
http://omoshiroi-hanashi.com/kowai/3357.html
これは去年の秋の話な。
俺らの通う大学は戦時中に激戦区になった地域に建てられてる。
そのせいか、入学当初から出るって話題には事欠かなかった。

実際に、夜中に残ってた生徒が校舎から金切り声を聞いたとか、教室の盛り塩蹴っ飛ばしたらその教室を使うゼミ生が体調崩したとか、ぽつぽつ起こっていた。
でも、俺らは見えないしわかんない部類だったからあまり気にせず過ごしていた。
去年の夏まではな。

俺らは講義と講義の間の休みにタバコを吸うのが日課だった。
喫煙所は昨今の禁煙ブームで肩身が狭くなり、俺らは高校生みたいに大学の駐輪場近くの小さいスペースで吸ってた。
その頃、同級生が少しぼやき始めた。

同「なあ。俺さ最近一人でもここでタバコ吸ってんだけど、ここ俺ら以外に使ってるやついるかな」
俺「まあ、土方の人とか使うんじゃん?」
同「なんかさ、たまにだけど人の気配するわけ。教授かなってタバコ消すんだけど回りみたら誰も居ないの」
俺「考えすぎだろ。疲れてんだよ」
同「だよな」笑

ってのが、しばらく続いたのだが同級生の口から人の気配って話題が途切れる事がなかった。
そして十月ごろ。
同級生は見える先輩をそこへ呼んだ。先輩は、同級生と同じ学部の院生だった。

その日、俺も一緒に三人でタバコをふかしてた。
院生は笑顔が素敵な爽やかな先輩だった。
先輩は、あまり自分が霊とかを見れる人だというのを知っていてもらいたくないようで、同級生から知らない体で会ってほしいと俺はあえて普通に接してた。
内心ちょっとドキドキしてたけど。

その日は、普通にあの講義の単位が取れないだの、このバイト先の店長がいけすかないとか普通に話をして休み時間が終わった。
正直肩透かしを食らったようで、俺は腹の中にいちもつ抱えて講義に出た。

そしてその夜、同級生が俺を呼び出した。
同級生の顔が青ざめてたのが、やけに印象的だった。

俺「どした?」
同「お、おう。今大丈夫?」
俺「呼びつけといてなんだし」笑
同「話、聞くか?」

何の、かはすぐに分かった。

俺「何。やっぱなんかあったの?」
同「おう・・結果だけ言うな。俺とお前の間に、女が立ってたって。鼻から上と腹から下が見えなかったけどあれは女だったって。後、口の周りが引っかき傷だらけだったらしい」

もう俺絶句。
どうやら、壁に寄りかかってた先輩とすぐ横に同級生。その隣に俺。その同級生と俺の間に、女が。
そいつはガチでヤバイやつらしい。
あと、害は無いけど男もいたらしくて、そいつは少し離れたとこからこっちをじーーっと見てたんだって。

それ以後、肩身が狭くても喫煙所でタバコ吸ってる。


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