2016年4月2日土曜日

泣ける話 �

俺と嫁の話を聞いてください

『半分の月がのぼる空』という本を
貸してもらって読んだら
昔を思い出したから書いてみる。

今から約10年前の話。

1998年、俺は高校2年と3年の間の
春休みに、ある大学病院に入院した。
特に重い病気でもなく
ただの難治性潰瘍治療のための
入院だったから、食事制限や運動制限も
あるわけじゃなくてかなり自由な
入院生活を送れることもあって、
半分楽しんでたのも正直なところ。

ただ、俺の通ってた高校が学区トップの
進学校だったから宿題の量が半端無かったから病院でやらなくちゃいけなかった。
夜の方が勉強はかどるんだけども
9時消灯だから病室ではできない。
だから俺は地下の自販機コーナーで
することにした。

昼間は売店と食堂も隣接してることも
あって活気(?)のあるそこでも、
夜になると電気も落ちて自販機の
明かりだけになる。
その雰囲気も気に入った。
勉強には少々暗いけどそこがいいと思った

そこが始まりだった。


夜9時くらいに降りてきて11時くらいに戻る
そんな感じで2、3日たった時、
いつも俺の10mくらい横の椅子に座って
飲み物を飲みながらずっと座ってる
女の子がいることに気付いた。
背は小さくて140cmくらいで
小学生か中学生かなと思った。
いつも俺が勉強初めて10分くらいして
降りてきて、俺が帰る時もまだそこにいた
またそれから数日が過ぎた日、なんか気になって話し掛けてみた。

俺「いつも何してるの?」

女の子「病室にいるのが嫌だから
できるだけここにいるの。
でも昼間は出さしてくれないから…。
君もいつもいるよね」

俺「この雰囲気が気に入ってね。
まぁ本当は宿題しないと
いけないからなんだけど」

女の子「勉強できるの?」

俺「まぁ…一応○○高の中くらいには
いるんだけどさ…」

女の子「賢いみたいね」

俺「君は…中学生?」

女の子「小さいけどこれでも高2来年3年」

俺「……マジかwww俺と一緒www」

はっきりとは覚えては無いが
だいたいこんな感じだったと思う。
何が驚いたってやっぱ年齢だ。
どう上に見ても中3くらいだったからさ。
でもなんか空気は俺より大人だったの
覚えてる。

その日からなんか自然に俺が勉強してる
横にその子が座ってるような構図になった
ありがちな話だがおれはいつのまにか
その子を好きになってた。
別に俺はロリコンじゃないんだが。

「なんで入院してんの?」

ちょっと聞いてみた。
返答は素っ気なかった。

「心臓の手術しないといけないから。」

正直大学病院に入院してんだから
何かあるかなーと思ってたんだが、
ちょっと動揺した。
高校もほとんど行けずに
病院暮しなんだそうだ。

彼女の病気は大動脈弁狭窄症だった。
小さい頃から何度か手術したけど、
またしないといけなくなったらしい。
(彼女やら女の子やらややこしいから
今から絵梨でいこうと思う)

絵梨「今回は死ぬかもね」

これにはかなり動揺した。
なんというかもう達観した感じの
言い方で、悲しくなった。
でもその時は俺は未熟だったし
何も言えなかった。

絵梨「明後日だから。」

そう言って珍しく先に帰っていった。

エレベーターの停まった階は3階。
胸部心臓外科病棟。
なんか泣きそうになった。

次の日は一日中悩んだ。
絵梨が居なくなることが恐かった。
たった2週間くらい一緒にいたくらいなのにこんなにも好きになってたのかな、
と今思えば恥ずかしながら考えてた。

つづく

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