2016年4月27日水曜日

恐い話

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灰になる前に



私が大学に入学してすぐの頃、
母方の祖母が倒れた。

ただの大腿骨骨折だったのだけど、
高齢のせいもあってなかなか治らず、
長期に渡る入院生活を強いられることになってしまった。

祖母はすごい頑張り屋だったから、
リハビリも頑張っていたけれど、

全身が骨粗小症状態になっていて、
色々なところがどんどん壊れていく状態に陥り、
しまいには寝たきりになってしまった。

結局亡くなるまで6年間の闘病生活だった。

私はこの祖母のことがとても好きで、
お見舞いにそれなりに行っていた。

母はほぼ毎日通っていたけれど、
私は休みのときにチョコチョコ行くぐらいしかできなかったけど。
他の孫たちは滅多に来なかったから、
私が来ると祖母も嬉しかったようで、
私が帰る前には必ず祖母の乗った車椅子を押して、
病院行脚wをするのをお願いされた。

看護士さんや他の患者さんに、
孫と一緒にいる姿を自慢したかったみたい。

書いていると涙が・・・。

そんな祖母がいよいよ具合が悪くなって、
私が会いに行ったときには、もう虫の息だった。

最後まで意識ははっきりしていたから、
死を迎えるのをとても恐れていて、
眠気を追い払うために胸をさすっていて欲しいと
しきりにねだった。

痩せてしまった祖母の胸をさすりながら、
私は祖母が明日には死んでしまうことを自覚した。

不思議と涙は出なかった。

そして次の日祖母は亡くなった。

タイミングの悪いことに、
私はその時試験期間真っ最中
(大卒後、専門学校に入学していたので)。

なので、お通夜には出れず、
次の日の告別式に試験が終わってから行く事になった。

その日の試験科目は2教科。

90分×2なので、
午前中いっぱいはかかってしまう。

でも試験開始後から30分経てば退出できるので、
2教科目は30分で終わらせて、即座に斎場へと向かった。

学校から斎場までは電車で30分、
そのあとタクシーで20分。

私が着くころには、
すべて終わってしまっているかもしれない

ようやく斎場に着いた。

とても大きな斎場で、
その日も何組もの葬儀が執り行われていた。

だから沢山の部屋の中から探して、
祖母の所に即座に行くには、
難しかったはずだった。

でも不思議なことが起きた。

タクシーから慌てて降りて、
斎場のエントラスンスに走って向かおうとしたら、
私が足を踏み入れるまえに、
自動ドアが勝手に開いて、
中から従業員の方が出てきて、こう言った。

「○○様(私の名前)お待ちしておりました。こちらです」

そして私を案内して、
祖母のところまで連れて行ってくれた。

扉を開けると、
ちょうど出棺前の献花が終了する所だった。

私がほんとに最後の弔問客。

ぎりぎりで間に合った。

祖母に最後に一目会うことが出来たのだ。

私が最後の最後で現れたこと、
しかも迷わずに来れたことを、
家族はとても驚いていた。

それぐらいその斎場には、
沢山の会場があったから。

私は会場にいる親には、
着いたこと事など連絡してなかったから、
なぜあの時即座に従業員の方が対応してくれたことか、
不思議でしようがなかった。

あの時、従業員の方に案内してもらわず
自分で探していたら、電車が一本遅れていたら、
タクシーが即座に捕まらなかったら、
確実に間に合わなかった。

いろいろな奇跡が連続した結果だった。

もしかしたら、祖母が灰になってしまう前に、
私に会いたいと思ってくれたのかなと思っています。

祖母:孫が着いたから迎えに行け>従業員の方:電波受信

みたいな感じで。

ありがとう。

大好きだよ。おばあちゃん。

もっといっしょにいたかったよ・・・。
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