2014年1月14日火曜日

恐い話

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トンネル



189 :トンネル:03/03/21 01:17

子供の頃、ばあちゃんの家に遊びに行った時のことです。


同じくらいの年のいとこ2人と姉と、かくれんぼをはじめました。

鬼になったのは一つ下のいとこでした。

ばあちゃんの家に行く度にかくれんぼばかりしていたので、

ばれにくい所は過去にもう隠れたことがあり、(タンスの上のダンボールの中や玄関の下駄箱の下など)

隠れる場所が殆ど無かったのですが、

その日も気合を入れて、隠れる場所を探し始めました。




ふと目に付いたのが、仏間の押入れ。

上の段に上り何気なく上を見ると、板がほんの数ミリくらいずれていました。

押してみたら持ち上がったので、そこに這い上がり板を元に戻して、外から漏れる光を頼りにあたりを見回すと、

屋根裏というよりトンネルみたいな、長い通路のようになっていました。



190 :トンネル:03/03/21 01:18

ばあちゃんの家は細長い平屋だったんですが、どうやら端から端までありそうなくらいの通路です。

高さは大人がハイハイしてやっとくらい。

押入れの近くにいるとバレると思った私は、とりあえずその通路を移動することにしました。

古い家なので隙間も多く、真っ暗でもなかったので、あまり恐怖も感じず、

四つん這いになってどんどん進んで、もうすぐ家の端まで着くぞという時に、

突然天井と言うか、這ってた屋根裏の板が途切れてて、私はそのまま頭から落ちてしまいました。

落ちた先には古くてかび臭い布団が沢山置いてあったので、幸い怪我も無かったんですが、どうもおかしいんです。

ばあちゃんの家にそんな部屋はない。

上を見上げると、自分が落ちてきた場所が見えたんですが、結構高く、どう見ても平屋の一階と言うよりは地下。

周りは土と石でした。

なんとか上ろうと思って手で回りを探ると、何かスイッチのようなものがあったので押してみると、

上からぶら下がったコードに付いていた裸電球が点きました。



191 :トンネル:03/03/21 01:18

明るくなったことで、回りの状態を見ることができました。

壁にぽっかり空いた横穴。

とりあえず這い上がるのは無理そうだし、この穴を通ればどこかに出られると思い、

四つん這いになってその横穴を進み始めました。

地面にはさっきあったような布団が敷いてあるようです。

ジメジメしてて気持ち悪かったけど、だんだん怖くなってきたので、どんどんどんどん進んでいき、

もう電気の明かりも届きません。

なんだか微妙に登り坂になっていて、ちょっと疲れたけど、

それでもどんどんどんどん進んで行くと、いきなり何かにぶち当たりました。

薄いベニヤ板みたいなものが立てかけてあったらしく、

板が倒れて穴からようやく脱出・・・したのはいいんですけど、見た事もない部屋。

木の檻っていうか、格子がはまってて、出口らしき所には大きな鍵がついていて出られません。

恐さがピークに達した私は、大声で泣き喚きました。



196 :トンネル:03/03/21 01:29

すると、檻?の外の更に外から女の人の声が。

「誰かいるの?」

「わかんないけど、ここに来ました!助けてください!」

「ちょっと待ってて!」

ガチャガチャと音がして、檻の外の扉が開きました。

どこか蔵の中の、小部屋のようなところにいるようです。

「ここの鍵ないんだよね。ちょっと待っててね」


少しして、おっさんが現れました。

不思議そうな顔をしながらも、鍵をガチャガチャやったり引っ張ったりして、開けようとしてましたが開かず、

結局斧で叩き壊して救出してくれました。

名前とどこからきたのか聞かれ、ばあちゃんの家から穴を通って、何故かここに出たことを説明すると、

おっさんがばあちゃんの家まで、おんぶして連れて行ってくれました。



198 :トンネル:03/03/21 01:30

家で遊んでたはずが、おっさんにおんぶされて帰ってきた私に、じいちゃんもばあちゃんも驚いていました。

私が「この人に助けてもらった」と説明すると、不可解ながらも、にこにことお礼を言ってました。

しかし、「この子が、どこからか穴を通ってうちの蔵に入った」という話をおじさんがした途端、

二人は突然「出て行け!」と怒鳴りだし、おじさんを追い帰してしまいました。


なんかすまないことをしたなぁと思った私は、じいちゃんに、

「仏壇の部屋の押入れから行ったんだよ。

 穴があのおじさんのうちのほうまで繋がってて、勝手に蔵に入っちゃったんだから、おじさんは悪くないよ」

と説明しました。

するとじいちゃんは、「そんな所から、あんな遠くまで繋がってるわけが無い!」と怒鳴り、

仏間に行くと、天井を沢山の板と釘でめちゃくちゃに打ち付け、塞いでしまいました。



199 :トンネル:03/03/21 01:33

その後は恐くて、あのトンネルのことは口にできませんでした。

だから、あれが何なのかはさっぱりわかりません。

蔵のあった家にはその数ヶ月前まで、人付き合いを殆どしないおばあさんが一人で住んでいたんですが、亡くなり、

其の後、私を助けてくれた夫婦が住んだものらしく、蔵のことはよく知らなかったようです。

じいちゃんはとっくに亡くなり、ばあちゃんも数年前に亡くなり、今はあの家は人手に渡っています。

最近両親に聞いてみましたが、そんなもの知らないと言ってました。


あれはなんだったんでしょう?

大量の布団。電気。トンネル。

考えるとなんか恐いので、あまり考えないようにしています。
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