2013年10月17日木曜日

恐い話 短編

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20年前、山を切り開いた地にできた新興住宅地に引っ越した。
その住宅地に引っ越して来たのは私の家が一番最初で、周りにはまだ家は一軒もなく、夜は道路の街灯だけで真っ暗だった。
家は住宅地の端で、隣には整地されていない、草むら。そして、草むらは山に続いていた。

その家に越してきてから、暫く、家族皆が調子を崩した。
父は原因不明のできものが背中に出来、母はだるさで病院通いを続け、兄はやたらと車の事故を起こした。
私は不注意でやたらと切り傷やあざを身体中につくった。
が、そのような不調もいつかなくなり、家族そろって新しい家にも慣れた。

家が建って一年経った。
新興住宅地も随分家がたって賑やかになった頃、父が話してくれた。

家族が調子を崩していた頃、父は夢を見たそうだ。
大きな蛇の夢で、草むらからじっと父を睨んでいたらしい。
そして、次の日、父は家の傍の草むらでその蛇を本当に見た。
蛇は胴の径が10センチもあろうかという大きさで体調は2メートル程もある大きさだった。
父は、なぜか申し訳ない思いになり、蛇に話し掛けたそうだ。

「この地に昔からいたのだろう。勝手に来て申し訳ない。
でも、いまさらここを離れるわけにはいかない。この地を大切にするからゆずってくれないか。
それと、俺の前にはどれだけ姿を現してくれてもいいが、家族は正直言ってその姿をみると怖がる。頼むから、俺の前だけに姿を現してくれ」

蛇は暫く父を睨んでいたが、ゆっくりと山に向かっていったそうだ。
父はその日、寺に行き、酒を納めてきたらしい。
家の不調が改善されたのは、その日からだと父は言っていた。
そして、父はその後、蛇を見ることはなかったそうだ。

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秋田県出身のY君から聞いたのですが、昭和57年ごろに日本海で大地震が発生し、海辺を遠足していた小学生たちが犠牲になりました。
(大変有名な災害です)

その後、父母たちの間で引率の先生を相手取った裁判が行われようとしていたようです。
大切な我が子を失った重いというのは、たとえ天災であってもやるせないもの。
親の心情からするとそのやるせなさは尋常ではありません。

しかし、ある時を境にその動きがピタッとなくなったというのです。
なぜかと言うと、なくなった子供たちが次々と自分の親の枕元に立ち
「先生は悪くない」と言ったからだと言うのです。
そして、実際に裁判での係争は一切なかったというのです。
大変有名な災害ですので、その後のいろいろな事態については周知のことだと思うのですが、はたしてこの話は本当なのでしょうか?
Y君は自分の妹がその学校に通っていたため、この話を聞いたと言ってましたが。


恐いというより、なんだか胸が熱くなったんですけど。


うう…涙が…
その先生、慕われてたんだな…

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中島らも氏のエッセイで読んだ話だが。
新聞の投書欄に送られてきた独居老人の手紙。

「定年で会社を辞めてから随分たつが、ここの所、出先から帰ると居間に自分が
 いる、ということがよくある。 (中略)他にも焼き魚がビチビチと跳ねたり、
 妻に先立たれて退屈な日々を送っているには違いないが、ユーモアにしても
 いささか度を越しているように思う(以下略)」

中島氏は「本人は『ユーモラスな体験投書』のつもりでいるところが鳥肌」と評していたが、まったくもって同意。
ドッペル見ちまったのか、孤独に耐えられずゆっくり狂っていってるのか…

マジコワイって(;´Д`)


その投書を載せる新聞も新聞だな
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ん!?なんか用?
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