2013年12月27日金曜日

ネタ話

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もしも占い〜あの時ああしていれば、今はどうなったの?〜


2013-12-27

カテゴリー: 深い話

102:◆PDh25fV0cw:2009/12/12(土) 14:24:50 ID:a7n66heg

『もしも占い』
あるところに奇妙な占い屋があった。
なにが奇妙なのかというと、この占い屋は起こらなかった未来を占う、もしも占いなのだ。

誰しも、あの時あれをしていれば、と後悔したことはあるはずだ。
もしもその先、行動していた時の未来が見えるとするならば、誰しも知りたくなるだろう。

「あの、占って欲しいのですが」
小さなビルの一階、占い師の老年の男が占いの準備をしている時、一人の女性が占い屋に入ってきた。
薄いグレイのスーツを着た、OLのようだ。


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「はいはい、わかりました。占いたい内容はなんでしょうか?」
「私、少し前に彼氏と別れたんです。それで、新しい男の人と付き合い始めたのですが、どうもしっくりこなくて」

「それで、もし前の男性と別れなければ今はどうなっていたか。それでいいですかな?」
「はい、そうです。仕事が手に付かない、というほどでもないですが、やはりすっきりしなくて」

「ここにくる人は皆、そういっています。大丈夫、きちんと見てあげますよ」
そう言うと占い師は、目の前の水晶に手をかざし、呪文のようなものを唱えだす。

時折、女性に質問し、また水晶に呪文を唱える。それを少し続けた後、占い師はおもむろに答えた。
「結果がでました。紙に書いてきますので少しお待ちを」

そうして後ろの部屋に向かい、5分もしないうちに戻ってくる。
「これに全て書いてあります。それでは代金の方をもらえますかな?」

「わかりました。ですが、なぜ結果をいちいち紙に書くのですか?口で言えばすむ話なのに」
「私も昔はそうしていました。しかしそうすると、代金を払わないで出て行ってしまう不届き物がおりまして。こうして紙に書いているのです」

「そうだったのですか。これが代金です」
女性から、代金としてお札を数枚受け取り、占い師は結果の紙を渡す。

女性が不安と期待、そして恐怖。それらがまぜこぜになった表情を浮かべ、少し興奮気味に占い屋を去って行く。
一仕事終えた占い師は、部屋の奥に向かった。

そこでは、共同経営者の、眼鏡の青年がパソコンで書類を作っていた。
この青年は、半年ほど前、この占い屋にお客としてきた時スカウトされて、この占い屋にいた。

青年は、小説家志望で文は上手いのだが、暗い話しか書けないのでどうにかして欲しいと相談に来たのだ。
そんなこと、プロの小説家に聞けといいたかったが、その時占い師はひらめいた。
そうして生まれたのがこの、もしも占いだ。

占い師が、巧みにお客の素性を喋らせ、マイクで聞いている青年が、それを文章にする。
青年の書く、生々しく寒気のするような文は、読んだ人を震え上がらせるに十分だった。

「しかし、毎回暗い話ばかりでいいのでしょうか?」
「いいんだよ。もしも、なんて聞きに来る人間は自分は間違って無かったと、聞きにきているだけなんだから。もしも、で幸福になると言ったら、怒って怒鳴り込んでくる奴もいるだろうさ」
「たしかに、そうですね」

そう他人の不幸は蜜の味。違う選択肢を選んだ自分はもう、他人なのだから。


同じ幼稚園に通う女の子に、本気のプロポーズをした


2013-12-26

カテゴリー: うまい話

355:名無しのオプ:2010/10/22(金) 11:13:47 ID:TAWiDljx

古い話だ。
わたしは同じ幼稚園に通う女の子に一目惚れをした。
とてもかわいらしい子だった。

一緒に歌を歌ったり、お遊戯をしたり、お弁当を食べたり。
とても楽しい時間だった。

お昼寝の時間には、その子の寝顔をずっと見つめていたこともあったほどだ。
やがて卒園の日が来て、これからは私立の小学校へ通うことになるのだという彼女に、わたしは思い切って告白をした。


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「大きくなったら、ボクのお嫁さんになって」

真剣だった。本気のプロポーズ。
しかし、彼女は首を横に振った。
「いやよ」

わたしはフラれてしまったのだった。
そしてそれ以来、二度と彼女に会うことはなかった——。


——ジィジ〜
孫に呼ばれて、わたしは目を覚ました。
どうやらウトウトしていたらしく、夢を見ていたようだ。遠い昔の思い出。

今日は一月十日。わたしの誕生日だ。
今年はちょうど成人の日と重なって休日となり、子供たちが孫を連れて、還暦になるわたしを祝いに来てくれたのだ。

赤いちゃんちゃんこを無理やり着させて、似合う似合う、などとからかい半分に写真を撮っている。
ふと、彼女は今頃どうしているだろうか、と思った。

彼女もまた、今日は奇麗な振袖を着ていることだろう。
今年彼女は、成人式を迎えているはずなのだ。
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